〔特別インタビュー〕中村鴈治郎（歌舞伎俳優）
「公文協　松竹大歌舞伎　西コース」製作発表会見

歌舞伎俳優の中村鴈治郎氏が6月23日、東京・帝国ホテルで「公文協　松竹大歌舞伎　西コース」の製作発表会見を行いました。
製作発表後に個別インタビューの機会もありましたので、ご紹介します。

―４年ぶりの松竹大歌舞伎の開催について

久しぶりの開催で大変嬉しく思います。まだお客様が完全には戻っていない状況ですが、それでも本公演を待っていたという方も、また多くいらっしゃいます。そんな方々に巡業でお会いできるのを、楽しみにしています。

―巡業について

巡業は、ホールに合わせて大道具を都度設営します。そのため、俳優より前に道具を持ち込んで最後に会場を出る、裏方（大道具さんやトラックの運転手さんなど）がとにかく大変です。公演は彼らのおかげで成り立っています。
巡業はお客様にとって、地元で歌舞伎と出会えるチャンスです。かつ、俳優にとってもいいお役が貰える「抜擢」という意味合いがあり、巡業は大変重要な位置づけにあります。土地ごとに違うお客様の反応を感じながら、日ごろ歌舞伎に触れる機会が少ない方にも楽しんでいただけるよう、頑張りたいです。

―「土屋主税」について

「土屋主税」は渡辺霞亭が初代鴈治郎にあてて作った、中村鴈治郎家のお家芸です。初めて演じる際、父には「臆びれず、しかし、照れずに」と言われました。今回もその言葉を胸に、「お客様は自分しか見えていない」という気持ちで演じたいと思います。「土屋主税」は忠臣蔵がテーマなので冬の演目です。舞台では盛大に雪を降らせますよ！(笑)

―初心者の方へ

初心者の方には、イヤホンガイドがおすすめです！上演中はもちろんのこと、ぜひ開演前から付けてみてください。開演前や演目と演目の間の幕間時間にも特別インタビューなどがあり、理解が深まります。

―相模大野の思い出

相模大野のグリーンホールには、お伺いしたことはないのですが、相模原市にはずいぶん前に訪れたことがあります。公演へ向かう途中、乗っていた電車が事故の関係で最寄り駅を急遽通過してしまうことを知り、大変慌てました。今回は何事もなく到着できることを祈っています。(笑)

令和5年度（公社）全国公立文化施設協会主催　西コース

松竹大歌舞伎

---

2023年9月16日（土）14:00開演
相模女子大学グリーンホール・大ホール
【演目】
一、 玩辞楼十二曲の内　土屋主税
二、 汐汲
【主な出演】
中村鴈治郎、上村吉弥、中村亀鶴、嵐橘三郎、中村寿治郎、上村吉太朗

 

取材協力=松竹株式会社