シリーズ杜の響きvol.52
郷古 廉&ホセ・ガヤルド デュオ・リサイタル
\出演者メッセージ/
今回のプログラムは、いずれも偉大なヴァイオリニストたちが作品の誕生に大きく関わっています。
チャイコフスキーの〈瞑想曲〉作品42-1は当初、彼の最も有名な作品の一つであるヴァイオリン協奏曲の中間楽章として作曲されました。そのヴァイオリン協奏曲を作曲するにあたり、チャイコフスキーが研究したとされているラロの《スペイン交響曲》は、パブロ・デ・サラサーテが初演し大成功を収めました。
シューベルトの《幻想曲》D934を初演したヨーゼフ・スラヴィークは、「ボヘミアのパガニーニ」という異名を持つほどの名手で、彼がどれほど卓越した技術の持ち主だったのかは、作品を演奏すれば明らかです。
ラヴェルの《ツィガーヌ》はハンガリーのヴァイオリニスト、イェリー・ダラーニに献呈され、ラヴェルにしては珍しいほどの生々しく血が滾るような音楽は、言うまでもなくダラーニの個性によって触発されたものだと言えるでしょう。
そして、プログラム最後、フランクの《ヴァイオリン・ソナタ》は、ベルギーの偉大なヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイに捧げられ、今日では最も広く親しまれる作品の一つとなりました。
これらの作品は、いずれも演奏者に対して非常に高い技術を要求しますが、それは作曲家の意図をより深く表現するための手段に過ぎません。私にとって何よりも大切なことは、それぞれの作品を通して作曲家が何を語っているのかを理解し、伝えることに他なりません。
その意味において、ヴァイオリンとピアノの魅力が極限まで生かされたこのプログラムは、皆さまに作曲家の「声」をお届けするために最良のものだと信じています。
郷古 廉
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【プロフィール】
◎ヴァイオリン/郷古 廉 Sunao Goko
2013年ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール優勝ならびに聴衆賞・現代曲賞を受賞。現在、国内外で最も注目されている若手ヴァイオリニストのひとりである。
1993年、宮城県多賀城市生まれ。2006年第11回ユーディ・メニューイン青少年国際ヴァイオリンコンクールジュニア部門第1位(史上最年少優勝)。2007年12月のデビュー以来、各地のオーケストラと共演。共演指揮者にはゲルハルト・ボッセ、フランソワ=グザヴィエ・ロト、秋山和慶、井上道義、尾高忠明、下野竜也、山田和樹各氏などがいる。2017年より3年かけてベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を演奏するシリーズにも取り組んだ。これまでに勅使河原真実、ゲルハルト・ボッセ、辰巳明子、パヴェル・ヴェルニコフの各氏に師事。国内外の音楽祭でジャン=ジャック・カントロフ、アナ・チュマチェンコの各氏のマスタークラスを受ける。
使用楽器は1682年製アントニオ・ストラディヴァリ(Banat)。個人の所有者の厚意により貸与される。2019年第29回出光音楽賞受賞。
NHK交響楽団ゲスト・コンサートマスターを経て、2024年4月より第1コンサートマスターに就任。
相模原には2018年11月「午後のうるおいコンサート」以来、2度目の登場となる。
◎ピアノ/ホセ・ガヤルド José Gallardo
アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれる。5歳の時にブエノスアイレスの音楽院でピアノを学び始め、その後マインツ大学音楽学部でポルディ・ミルトナーに師事、同大学を卒業した。在学中、室内楽に情熱を抱くようになり、メナヘム・プレスラー、セルジュ・チェリビダッケなどから音楽的影響を受けている。
国内外で数多くの賞に輝き、ロッケンハウス室内楽フェスティバル、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭など多くの音楽祭に招かれている。ヨーロッパ、アジア、南米で頻繁にコンサートや室内楽活動を続ける中で、ギドン・クレーメル、アンドレアス・オッテンザマー等との共演を果たし、またベルリン・フィルハーモニー、ウィグモア・ホール、ウィーン楽友協会、ハンブルク・ライスハレ、フィレンツェのデッラ・ペルゴラ劇場、ローマ聖チェチーリア音楽院などで演奏している。
1998年から2008年にかけてマインツ大学音楽学部で教鞭をとり、2008年秋からはアウクスブルク大学のレオポルト・モーツァルト・センターで後進の指導にあたっている。
◆音楽メディア『FREUDE』◆—「楽譜の向こう側」の世界に目を凝らす
◆ぶらあぼONLINE◆—ヴァイオリニスト 郷古廉のいま
公演日 |
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時 間 | 14:00開演 13:30開場 | |
会 場 | ||
内 容 |
チャイコフスキー:《なつかしい土地の思い出》 より 〈瞑想曲〉 作品42-1 シューベルト:幻想曲 ハ長調 D934 ラヴェル:ツィガーヌ フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 ※曲目等は、都合により変更になる場合がございます。 |
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チケット情報 |
6月29日(土) |
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6月30日(日) |
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◎全席指定4,500円 ◎学生2,500円 ◎車椅子2,250円 ※学生(25歳以下)は、チケットMove、チケットムーヴ.netでの予約及び相模女子大学グリーンホール、杜のホールはしもと、相模原市民会館の各チケット・カウンターのみ取扱い。 ※チケットMove先行発売は、電話予約及びチケットムーヴ.netのみ取扱い。 ※お一人様4枚まで。 |
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お問い合わせ | 杜のホールはしもと 042-775-3811 |