日本フィルハーモニー交響楽団

ラザレフが相模原にもたらしたもの

2016年05月19日

突然ですが、ラザレフには思い入れがあります。

相模原定期をはじめる際、何度も日本フィルの演奏会に足を運びましたが、ロシアの大地のように壮大でどこを切ってもぎゅっと凝縮された音、それでいて土の手触りのようにあたたかな音を引き出すラザレフにびっくりしました。
そして、カーテンコールでのパフォーマンス!ちょっと強面のお顔とは裏腹に(マエストロ、ごめんなさい)、楽員を讃え、聴衆がクスリとしてしまうようなパフォーマンスもしてしまうチャーミングなマエストロ。

何より、さまざまな国の文化に触れられるのがクラシック音楽の一番良いところ。ラザレフをとおしてロシアの歴史、考え方、文化などを相模原にいながら知ることができるなんて、こんな素敵なことはありません。

ですので、相模原のみなさんにもラザレフを是非ご紹介したいと思い、相模原定期をはじめる際に「ラザレフをお招きしたい!」とお願いし、日本フィルもそれに応えて下さるかたちで2年目の第3回演奏会でついに実現しました。

第7回定期演奏会を終えて思うことは、ラザレフはやっぱりすごい!に尽きました。
描き出す音のニュアンスたるや驚くばかりです。精緻で、時には刃物のように鋭く、しかし決して冷たくない芳醇な音。隅々まで考え抜かれた作品の構成力。舞台袖にいても客席の高揚と興奮が伝わってきて、みなさんが満足している様子が手に取るようにわかります。
おまけに振り向きざまの投げキッス(笑)

ラザレフが相模原にもたらしたものは、オーケストラっておもしろい!また聴きたい!と思ってしまう最大のオーケストラの楽しみ方なのかも。

明日からの東京定期をはじめ、マエストロの演奏を聴く機会はたくさんありますので、ぜひ他のホールにもお運び下さい。
そしてまた、相模原にもお招きできますように。