杜のホールはしもと

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《インタビュー 》シリーズ杜の響きvol.38 外山啓介氏インタビュー

2017.12.17

今回のプログラム構成のポイントや、コンサートの聴きどころをお聞かせください。
今回のポイントは、デビューリサイタルのプログラムとほぼ同じプログラムに取り組むことです。
おかげ様で10周年を迎えるまで、色々な経験をさせていただきました。
何が変わったのか、何は変わらずにいたのか。
何度も演奏した作品に改めて取り組むことは、色々な意味で大きな挑戦だと感じています。
また、このようなチャンスに恵まれたことを心から幸せに思います。

各地で今回のプログラムを演奏される中で、曲との向き合い方や心境などに変化はありますか?
今年は、これまでより自分の本番の録音を聴いて反省する時間を多く取っています。
どうしても自分の粗や力不足を目の前に突きつけられる時間になってしまいますし、より良い演奏をしたいという気持ちだけが先走って自分を追い詰めてしまった時期もあったと感じます。
しかし不思議なもので、音楽を生み出すための苦しみは、音楽によって救われるもので、結局は舞台で演奏させていただくことは私にとって何より幸せなことだと毎回実感しています。

外山さんの思う、ショパンの作品の魅力とは何でしょうか?
彼の音楽の魅力は、芯の強さと品格だと感じています。
他の作曲家に比べて規模が大きい作品は多くないのですが、まっすぐに前を見据えるような強さと、他を寄せ付けないような気高さが1番の魅力ではないでしょうか。
旋律や和声がとても美しいのですが、それら全てに注目しすぎてしまうと曲の構成が崩れてしまう気がします。とても難しいです。

杜のホールはしもとでの公演は、デビュー10周年ツアーの最終公演となります。
意気込みやご来場のお客様へのメッセージをお願いします。
思い返してみると、これほどに色々考え、悩みながらのツアーは初めてだったかもしれません。
良い意味で、やっと演奏することが仕事になったのだと思います。
10周年の集大成です。その日を橋本で皆さまと共有させていただくことを心から楽しみにしています!

シリーズ杜の響きvol.38  外山啓介デビュー10周年記念ピアノ・リサイタル