日本フィルハーモニー交響楽団

第14回相模原定期演奏会

※指揮者による演奏会の聴きどころや曲目を解説する
プレトーク(14:00~14:15)があります。

第14回 2019年9月29日(日) 14:30開演(13:45開場)

指揮:井上道義
ピアノ:アリス=紗良・オット

[曲目]
伊福部昭:《日本組曲》より「盆踊ぼんおどり」「演伶ながし」「佞武多ねぶた
井上道義:メモリー・コンクリート
リスト:死の舞踏
リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番(管弦楽版)
※出演者・曲目等は変更になる場合があります。

初登場!井上道義×アリス=紗良・オットによる“踊り”と“ノスタルジア”

第14回は、井上道義が相模原定期に初登場!プログラムは、前半と後半とで和洋の作品を対比しながらお楽しみ頂ける構成です。
始めに、相模原定期初の邦人作品として、映画『ゴジラ』のテーマでも有名な伊福部昭《日本組曲》。1991年に井上が管弦楽版の初演を務めた本作品は、さながら和風組曲のごとく日本の舞曲や踊りを素材に書かれた作品です。特に死者を供養するための踊りを起源とした「盆踊」は、日本の原風景を想起させるでしょう。
西洋からはリスト《死の舞踏》。骸骨で表現された死者と人々が手を取り合って踊る様子を描いた美術のモティーフと、レクエム・ミサで歌われていたグレゴリオ聖歌《怒りの日》が交錯する壮大な作品です。ソリストは、名だたる指揮者から指名を受け、世界で最も多忙なピアニストの一人と言われるアリス=紗良・オット。“鍵盤の魔術師”と呼ばれたリストの超絶技巧作品に、現代のヴィルトゥオーゾが挑みます。
次に、私小説と語る井上の《メモリー・コンクリート》は、自らの記憶が詰まった音世界。小田急線も現れますので、沿線のグリーンホールでの演奏にご注目下さい。最後に、リスト《ハンガリー狂詩曲》。ハンガリーの民族的叙事詩を音楽化した本作品は、ハンガリーを祖国と考えていたリストにとって音楽的原風景の結晶とも言えます。
各曲がさまざまなテーマで結ばれ、井上の知性が光るプログラム。エキサイティングな1日になること必至です!

Michiyoshi Inoue
1946年東京生まれ。桐朋学園大学卒業。ニュージーランド国立交響楽団首席客演指揮者、新日本フィル音楽監督、京都市響音楽監督、大阪フィル首席指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督を歴任。2014年4月、病に倒れるが同年10月に復帰を遂げる。2017年、大阪国際フェスティバルにて「バーンスタイン:ミサ」を自身23年ぶりに総監督(演出兼任)として率い、壮大で唯一無二な舞台を作り上げたと各方面にて非常に高い評価を受けた。2016年「渡邊暁雄基金特別賞」、「東燃ゼネラル音楽賞」、2018年「大阪文化賞」「大阪文化祭賞」「音楽クリティック・クラブ賞」を受賞。2018年9月、日越外交関係樹立45周年記念NHK交響楽団ベトナムツアーを指揮し各方面より絶賛されている。オーケストラ・アンサンブル金沢桂冠指揮者。自宅にアヒルを飼って、いる。
オフィシャルサイト http://www.michiyoshi-inoue.com/
Alice Sara Ott
ドイツと日本の血を引くアリス=紗良・オットは、これまでに、マゼール、ドゥダメル、パーヴォ・ヤルヴィ、ノセダ、テミルカーノフ、アシュケナージの世界の名指揮者たちと、オーケストラでは、ロサンゼルス・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ベルリン放送交響楽団、ウィーン交響楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団などの世界の名門オーケストラと共演を重ねている。2018年に「ドイツ・グラモフォン」メジャー・デビューから10周年を迎え、ニュー・アルバム「ナイトフォール」が全世界で発売された。日本公演を皮切りに、パリ、ウィーン、ミュンヘン、ロンドン等の都市でリサイタルを行っている。ピアニストとしての活動の他にも、クリエイティブな才能を発揮して世界の様々なブランドと強力な関係を築いている。